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世界一の紙芝居屋 ヤッサンの教え

著者:安野侑志・高田真理

"紙芝居だけ"の年商が1500万を超えた世界一の紙芝居屋ヤッサンこと安野侑志の世界観をまとめた本。残念なことにヤッサンは2012年に逝去してしまったため、もう実際に会うことはできないが、本書はその伝記のような存在になっている。

紙芝居屋と聞いたほとんどの人たちが「それで食べていけるの?」と不思議がる(自分もその1人だったが)中、誰も追いつけない圧倒的なオンリーワンで人生を過ごしてきたヤッサンの人生を垣間みることができる。先ほど、伝記と書いたが、内容は重苦しい文章ではなく、むしろ親しみやすい内容となっている。

テーマが紙芝居だからということもあるが、弟子の1人である京都大卒の女性紙芝居屋の高田真理にうまい具合にまとめあげている。ヤッサンの痛快なエピソードとヤッサンの人生を表した素晴らしい言葉の数々を1つ1つ丁寧に短編でまとめながら、「やりたいことで食べたい!」「自分の居場所を探したい」「やるかやらないか迷っている」などの現代の悩みをかかえる人たちの背中を押してくれる一冊。

構成は「本当の自分を知る」「自分の考え方を変える」「ガシガシ実行する」「持続力をつける」「待つ力をつける」「縁を大切にする」「常に前を向く」と自己啓発がメインに書かれているが、内容は40年紙芝居屋を続けてきたヤッサン自身の経験がたっぷりつまっているので、そこらへんの情報を集めた自己啓発本とはひと味もふた味も違う。もし、紙芝居に興味を持ったらヤッサンの弟子たちの紙芝居を見に行くのもいいかもしれない。何はともあれ、このような面白い生き方もできるという選択があることを知れるだけでも本書の価値はあるといえる。

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「世界一の紙芝居屋 ヤッサンの教え」のおすすめポイント

自分の大好きなこと(特にまだ世の中に知られておらず、ニッチなもの)で活動したいと考えている人にはぜひともおすすめしたい本。もちろん、そのような活動を考えていなくとも、紙芝居屋で40年生きてきた1人の男の人生を興味本位で見るのも良い。

安野侑志・高田真理について

安野侑志。「ヤッサン一座の紙芝居」座長。世界一の紙芝居屋。紙芝居だけで年収1500万。1回の紙芝居口演は30万だったという。

清水寺や京都国際マンガミュージアムの定例口演をはじめ、韓国、イギリス、アメリカなど海外でも口演した。50人近くの紙芝居屋を育成し、紙芝居の後進育成にも従事した。

高田真理。京都大学大学院卒(理系)。従来通りの人生を歩んできたものの、「ヤッサン」に出会い、弟子となる。たびたび「紙芝居屋の始毬(はじまり)」に変身し、全国各地で口演を行っている。