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世界はすでに破綻しているのか?

著者:高城剛

世界中を飛び回り、日本を代表するクリエーターである高城剛。
著者が25年にわたって、自身の目でみてきた「国家破綻」がテーマである。

「国家破綻が起きるかどうか」を議論しているのではなく、「国家破綻はいつでもどこでも起こるもので、そうした時に生き延びるためにはどうすればいいか」が書かれてある。その要因が記されているだけでなく、そのときの人や街の様子もリアルに描かれている。

日本のバブルにはじまり、リーマンショック、スペインやギリシャの財政破綻、韓国のIMF介入などを経験した中で、得た教訓はぜひとも参考にしたい。

リーマンショックの際、著者はロンドンに住んでいた。ロンドンの中でも高級住宅街に住んでいた。金持ちばかりが暮らす「安全な」地域であった。しかし、ある日、銃声と悲鳴が聞こえた。道では血を流して倒れている人、わけもわからぬまま叫び声を上げ続ける人、安全な地域が一瞬にして地獄に変わった。この犯人はただの通り魔ではなく、高級レジデンスに住んでいる弁護士だった。いわゆる富裕層であったが、リーマンショックの影響で投資が失敗に終わり、全財産を失ったのである。「金は人を狂わした」のだ。

リーマンショック以降、ロンドンはもとよりアメリカの街の様子も一変した。ロンドンの人は質素な暮らしに戻り、高級車は小型車や電気自動車に変わった。「景気がいいときこそ、おとなしくしている」という教訓を思い出したという。というのも、著者が大学生の頃はバブルまっただ中で、青田買いをしてくる企業の接待を受け、高級レストランで食事をして、タクシーチケットを使って遊んでいたらしい。そして、バブルがはじけた。

また、スペインの財政破綻からも多くを感じ、学んだという。スペイン人は「正しい価値のあるものに、正しいお金を払う」という価値観が根強く、スターバックスやマクドナルドにお金を落とすことはまずない。根底には「働かずに楽しく暮らしたい」というラテン気質があり、それがイギリス人と違っている。

どちらも「質素」であることに変わりはないが、スペイン人は地味ではない。できるだけお金を使わずに、「生活の質」を豊かにすることを真剣に考えている。「金銭的に裕福なことが幸せではない」ことを心の底から理解しており、我慢をしている様子は全くない。

これからの時代を生きていくにはサスティナブル(持続可能)かどうかが大切であり、それは国家も個人も同じである。収入に対して適正な支出を続けていれば、破綻をすることはない。そして、収入を失ったとしても生きていける基盤があるかどうかが重要である。破綻を招くのは“人間の欲望”である。

まずは個人レベルから管理することを始めるのが、初めの一歩になるだろう。

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「世界はすでに破綻しているのか?」のおすすめポイント

今まで経済を勉強してこなかった人、将来に備えて何か準備をしておきたい人におすすめである。著者自身が世界中で国家破綻を目の当たりにしてきたことが書かれてある。難しい経済用語などもあるが、経済書を読むよりもリアルに落とし込むことが出来る。

高城剛について

大学在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」でグランプリ受賞後、クリエーターとして活躍。NIKE、NTT、パナソニックなどの広告にも出演。総務省の委員なども務めた後、2008年より拠点を欧州へ移し、世界中を飛び回りながら活動をしている。著書に「オーガニック革命」「私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。」などがある。
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