絶対にブレない「軸」のつくり方
著者:南壮一郎
モルガンスタンレー証券というエリート街道を突っ走っていた著者は、小さい頃から憧れていたスポーツビジネスに「ツテなし、コネなし、経験なし」の状態からはじめる。
そこに辿り着くまでの様々な困難や挫折、一方で実体験をもとにした勇気づけられるエピソードなどが書かれてある。
全部で5章からなり、第1章は外資系企業をやめてから、三木谷社長に直談判をして、楽天イーグルスの創業メンバーになるまでのストーリーが紹介されている。
その中では具体的にとった行動やその結果が描かれている。
続く2章では、「できない」と思い込んでいる気持ちをとっぱらってくれる言葉と実践方法、第3章は「やりたいこと」「夢」の見つけ方と、そこから自分の「軸」へ発展させるやり方。そこで作られた夢を実現する為に仲間を巻き込む方法を第4章に。
最後の5章では「やりたいこと」へ向かう為の「はじめの一歩」を踏み出すためのやり方、という構成になっている。
本書は精神論や根性論にとどまらず、具体的に行った行動や夢を実現するまでのステップが明確になっている。「これを参考にしてやってみよう!」という気持ちを古い立たせてくれるが、細かいテクニックなどは記されていないので、ビジネス書というよりは自伝としての印象が強い。
「やりたいことがないというのはうそ」「できないというのは思い込み」など、ステータスや収入を捨てた著者だからこその想いや考え方が熱く語られている。
最高に充実した人生を送るためには絶対にブレない自分の「軸」が大切である。
「私の軸が見つからない」という人も本書を読んでみるとなにかが変わるかもしれない。自分軸はすぐに見つかるものではないが、行動しなければいつまでも見つからないものである。
本書ではそんな軸の見つけ方や「三木谷社長にわずか20分で認められたプレゼンの方法」「後悔をしない人生の歩み方」など人生論からビジネスのテクニックまで書かれている。
しかし。ストーリーを中心としているため、暑苦しさを感じる人もいるかもしれないが、読みやすい1冊となっている。
「やりたいことがあるのにできない」という人はぜひ手に取って読んでもらいたい本だ。
「絶対にブレない「軸」のつくり方」のおすすめポイント
「やりたいことがあるのにできない」「自分のやりたいことがわからない」「この先どうしようか迷っている」という人におすすめだ。ストーリー仕立てで「夢を実現する方法と具体的な行動」、「夢」「目標」の見つけ方、「夢を軸に発展させる方法」などが紹介されている。就職活動をしている学生や転職を考えている人が読むと大いに参考になる1冊。