ワン・シング

著者:ゲアリー・ケラー

この本の要旨をたったひとことで表すならば「目的にそって一つのことに集中すること」である。大成功をおさめたいのであればとにかく一点に集中させること、これが最も重要である。あなたの周りにも決められた時間内に驚くほどのタスクをこなすスーパーマンのような存在がいるかもしれない。その人が本当にマルチタスクなのかというと決してそうではない。各目的を達成するために必要なことを順番にひとつひとつ集中してこなしているはずだ。もしあなたが様々なことをこなせずに悩んでいるのであれば、まずは自分が達成したい目的を達成するために必要なこと1つを見極めることが大切であると述べられている。

一点に集中させるということはその他のことがらを切り捨てる必要がある。日々の生活の中には優先事項がいくつかあるかと思うが、その中でももっとも重要な「最重要事項」以外はしてはいけない、と述べられている。本書内の言い方をするのであれば、「1つのイエスは100のノーによって守られている」ということである。周りの人間に嫌われたくない、自分はわがままで自己中心的だと感じてしまうかもしれないがその必要性はない。初めから周りの人すべての要望に応えることができないからである。なので、自分のできることだけを受けて目覚ましい成果を上げることに集中した方がいい。

また、成功とは長期的に考えるべきで一朝一夕で達成できるものではないとも書かれている。楽して稼ぐ、全自動で稼ぐなどの謳い文句で中身のないサービスや商品がはびこっている中で本質をついている印象を受けた。毎日の積み重ねが一週間となり、一ヶ月、一年、十年とつながっていくのである。理想の未来を思い描くことも大事だが、その為にできることをひとつひとつ確認する作業も必要なのである。特に日本では目標設定を嫌がる人が多い傾向にあるが、それは目標を設定しても達成できなかった経験があるからだと思う。(私もその一人だ)しかし本書を読めばそんな人でも目標を立てることができるようになると感じた。なぜなら各目標に対してやることは「1つ」だからだ。1年での目標にしろ、10年での目標にしろ、やることはひとつだけである。

情報があふれ返って頭の中が混乱しがちな現代においては有効な手段である。そしてこれは何も仕事の分野だけに有効なのではない。夫婦関係、人間関係、健康、教育などにおいても有効である。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「ワン・シング」のおすすめポイント

本書はビジネスマンはもちろんのこと会社員、学生、主婦などの職業や性別、年齢を問わず、人生をよりよく生きたい人が読んで価値のある本である。ノウハウやテクニックではなく、成功のための考え方を身につける上で当たりの1冊であろう。

ゲアリー・ケラーについて

ケラー・ウィリアムズ不動産共同設立者であり、会長。テキサス州オースティンの逸失で立ち上げた同社を、一代で全米最大の不動産会社にまで育て上げる。 権威あるアーンスト・アンド・ヤングの「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれている。現在はビジネス・コーチとしても活躍している。「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラーを獲得した「The Millionaire Real Estate」シリーズは、累計130万部を超えている。